おじさん(Age.61)日記By宙虫

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<<   作成日時 : 2014/06/11 16:31   >>

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踏生脚光 麦2014年6月号

 自分の俳句の実力が追いつかないままこの踏生脚光も一年。無事に完走できそうだ。ありきたりだが長いようで短かった。
 俳句は読んでもらって初めて成立するものだと再認識させてもらった。句会で。誌上で、ネットで、句集で・・・・。いろいろ方法があるだろうが、誰かの目に触れて俳句の両目が開く。ただ、句帖に書かれているだけでまだ俳句は完成していない。句帖から離れ、人の目に触れて初めて俳句として動きだす。
 たった十七文字の世界だ。どんなに想いをこめてもたった十七文字。何かを伝える手段なのだろうか。それとも単に記録するものなのだろうか。俳句に向き合いながら、何度もこの疑問が行ったり来たり。いつまで経っても結論が出ない。
 締切りに追われて日々が過ぎていくのが実情。ストイックに俳句を追いかけたことはないが、俳句を作らなければという強迫観念に身動きがとれなくなったことは多々ある。
 みな同じ想いをしながら作句をしているに違いない。一年が二年と俳句の経験を重ねるにつれ同じところをぐるぐるしている自分に気がつくのだ。きっと。
 しかし、一方では俳句を読むことを続けなくてはならない。書かれていることだけで共感する場合もあれば、何か漠然としたものを文字の向うに感じることがある。何かわからないけれど「いいなあ。」と。それを自分の言葉にしてみたい。きちんと「この句いいですね。」と作者に伝えたい。何年経験を重ねてもこの気持ちをクリアできるとは思えないでいる。
 「踏生脚光」はこんな想いとともに続けてきた。作者にこれはどういう背景かなどと聞くこともできないので、勝手な舞台設定にしてしまったりしていないかとも思う。
一年間、同人諸氏の俳句のなかに自分が立ってみて見えるものを下手な文章で綴ってきた。これからは自分の俳句のなかに誰かが立ってくれることを願いながら、投句を続けることになるだろう。

木枯しや薬罐に水を足しにけり 佐々木晶子

 日常の生活の断片を切り取って俳句にとよく言われてきた。それは、今の自分の生活を書き遺すことに繋がる。時代が進むに連れてそれは姿を変えていくもの。この句に登場する薬缶も微妙に使われ方が変わってきているのだ。元々のお湯を沸かすものには違いないが。冬場の乾燥対策としてストーブの上に乗せていた。薬缶が空になりそうな時に水を足す。ごくありふれた日常だった。しかし、エアコンやファンヒーターに暖房器が姿を変え、この光景もなくなりつつある。薬缶の代わりに加湿器が家庭の中に入り込んできた。この句は「加湿器に水を足す」として理解される時代が遠からずやってくるのかもしれない。静かな冬の一日の光景である。

軒氷柱寝た子の頬に涙あと    布田節子

 子供の姿もこの百年の間に随分変わっている。自分の幼い頃でも父や母の子供時代とは全く違う育て方をされていた。俳句の歴史のなかに様々な子供たちが登場してきたに違いない。いろいろ手を焼く子供たちであるが、泣きながら寝ついた子供の姿を見るのはやはり切ないし、かわいいものである。そして、この感覚は大人の目線。子供は起きてみれば次の関心事に夢中になる。こういった子供の姿は、これまでたくさんの俳人たちがおそらく詠んだであろう。「軒氷柱」を季語としたことで独自の世界観を得たのかもしれない。

瓶詰めの死の灰白し十二月    中村欽一

 詳しくはわからないが、あの第五福竜丸に降ったビキニ環礁の核実験の死の灰が壜詰めとなって展示されているところがあるらしい。核による放射能問題は広島・長崎の原爆で戦争のイメージだが、平和な世の中でも放射能は降るのだ。日本のあちこちに原発があり、その危険性はゼロとは言えない。福島の原発事故も予期せぬものだった。最高の安全基準で規制されているといっていても、次に事故などが起きれば「想定外」の一言で結論つけられるのだろうか?死の灰の白さが際立つ揚句。第五福竜丸の記憶も風化させてはならない。一度訪れてみよう。インターネットで検索をしてみることにした。

またしても殺人事件餅を焼く   佐藤雛乃

 安全と言われる日本の治安。それでも、毎日のように殺人事件は起きている。ニュースに取り上げられると事細かに報じられ、加害者の生い立ちや人物評などがインプットされてしまう。面識もない犯人を誰もが「あいつはこんなやつ。」と断定しながら話しているのを聞くとぞっとする。ましてや、被害者なのに変なうわさが流れたり。どこまで信用していいのかわからない時代ではある。正月だろうか。餅を焼いている。世の中高齢化が進んできて、餅をのどに詰まらせて亡くなるひともよくニュースになる。まさかとは思うが、この餅を凶器に・・・。考えているのではなかろう。あくまでも新年。物騒な世の中であっても新年の行事はこなしていくのだ。一年が無事でありますように。殺されることなく人生を全うしたいと。

猪豚が増えて歪な冬の星     村山 慶

 歪な世の中。冬の星まで歪だ。人間の都合で作りだされたものが多々ある。絶滅危惧種の動植物が増えている現実が片方にある。猪豚を捉えたこの句にはっとした。猪が増えて住宅地で見るようになったというニュースをよく目にする。これは自然界のことで、猪豚とは違う。猪豚の存在に疑問を持ってしまう。人間のやっていることは何をとっても歪さを広げているだけかもしれない。

鉄分のくすり一錠足す寒波    横山淑子
 
 冷え症の女性には寒波は大敵だろう。冷え症のひとつの原因が鉄分不足にあると聞いた。また、男性より女性の方が鉄分を必要とするとのことだ。ずっと飲み続けている鉄分の薬だが、寒波の襲来とともに少し多めに。本来なら人間は食べることによって栄養分を補って生きてきた。古代人たちは自然界のなかのものを採取してきたのだろう。好き嫌いなど言っていられない時代だったと想像する。現代人は例えほうれん草が嫌いでも錠剤などで簡単に摂取ができるのだから。いやいや薬一錠で冷え症の悩みが解決するのだから現代はすごいのである。



先月の踏生脚光
http://musinandanikki.at.webry.info/201405/article_5.html




2013年の宙虫の俳句を公開中。
http://musinandanikki.at.webry.info/201312/article_9.html



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
宙虫さん、長い間お疲れ様でした。どういうわけか13回連載になってしまいまして申し訳ありません。でも、本当に楽しませていただきました。特に前書きがよかってですね。
餡子
2014/06/20 20:08
ありがとうございます。そうです。なぜかあと一回書いたのです。
宙虫
2014/06/21 12:00

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