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なんとも不思議な映画だ。 観てから、一週間経ったのに。 なんだかほんわかとしているこの気分。 ひょっとしてこの熊本の町だって、ああやって歩いてみるのもいいのかもしれない。 いつも自分が暮らしている町を。 転々 もともと、この映画は、深夜ドラマとして話題になった「時効警察」のスタッフが作った映画らしい。 確かにノリは時効警察。 ついつい、画面のはしからはしまでその仕掛けを気にして見入ってしまった。 ふふ・・・・。 少しだけ笑いをこらえながら。 なぜか最後にはほろっとさせる。 テレビとはちがってゆったりとした時間の運び方がすごくいい。 東京の下町をめぐってゆく小さな旅は、僕ら地方の人間が観てもわくわくするのだ。 ストーリーは、そう複雑なものではない。 孤独なふたりの男が吉祥寺から霞ヶ関まで歩く3日間の物語・・・・。 オダギリジョーと三浦友和のコンビが軽快なタッチで、実は孤独な男たちを演じている。 この映画に関しては、このふたりの芝居は素晴らしい。 親に捨てられ、育ての親は逮捕され、いつの間にか借金が80万円を超えて借金取りの追われる竹村(オダギリ)とその借金取り福原(三浦)。 返済期限が3日と迫ったとき、福原は竹村にある提案をする。 3日間、自分に付き合って、霞ヶ関まで歩いて欲しい。 歩き通したら100万円をやるというもの。 かくして、ふたりは歩き始める。 東京をよく知らない僕でも、たぶん、スタートしたのは井の頭公園のような気がする。 違っていたら・・・・。 東京に住んでるわけじゃないし。 そういうことにしておこう。 いぶかりながらも、「東京散歩」に付き合うことになるのだが。 福原はやはりわけありのようで。 少しずつ、お互いのことを話し始めるのだ。 少しずつ接近し始めるふたりの気持ちがいいのだ。 東京というある意味、孤独になりがちな場所で。 その孤独の意味はちがうが、結果的に孤独なふたり。 福原はいったい何を抱えてこの散歩を続けるのか・・・・。 気になるところ。 ここで、少しだけ「時効警察」らしい仕掛けが。 福原の妻が働くスーパーの従業員たちが、時効警察の警察署そのまま。 ついつい。 笑ってしまった。 そして、福原が妻を殺してしまったらしく・・・。 マンションに妻を残して自首する旅なのだと話す福原。 時々、福原は咳き込むし。 それがどういう結果になるんだろうか・・・・。 気になる。 そうやって、福原が最後にたどり着いたのは、小泉今日子のもとなのだ。 そこで、竹村と姪と名乗る少女との不思議な共同生活が始まる。 そして、福原は妻の死体が発見される前に自首することができるのか。 居心地のいい家族ごっこともいえる共同生活。 東京というところの不思議な魅力がここにあるのかもしれない。 すごい孤独でも生きていけそうだし。 誰とでもうまくすれば、家族の顔でいることもできるわけだし。 転々。 まさに転々。 そして、東京はどこでだって暮らせそう。 どこにだって、思い出が詰まっていそう。 そんな思いでみていた。 いとおしい映画だ。 しかし、ずるいかな・・・。 結局福原という人間はかなりなうそつきらしい設定で。 どこまでがほんとうかわからない。 あの体調の悪そうな咳もどうだったのかわからないし。 妻だって、発見されたのかどうか(または、本当に死んだのかどうか)もわからないし。 霞ヶ関での別れのシーンがなかなかしゃれているのだ。 そして、あたたかい。 東京も捨てたもんじゃない。 普段着でいられそうだ・・・。 そして、一番気にいったのは、「岸辺一徳」を生で見るとラッキーなことがあるという噂。 これが最高におかしい仕掛けだった。 てこてこ歩いて。 少しだけ無責任になってみてもいいかな。 そう思うのである。 |
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