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年末。 映画の見納めにと出かけたのがこの映画。 長江哀歌(エレジー) 中国という国の現実と生きてゆく人たちのたくましさ。 そこに揺れ動く切ない感情。 淡々としたドラマというより、まるで、ノンフィクションのような作り方の映画。 長江に建設中の山峡ダムに沈む町が舞台となっているのだが。 取り壊されてゆく建物。 そこに集まってくる人たち。 その人たちはさまざま。 そして、追われてゆく人。 いろんな人生の交差点がそこにはある。 ひとりひとりの現実が丹念に描かれている。 あわせて切り立った岩山の景観を見せる長江のおおらかな景。 そこに近代的なダムの姿がちらちらと画面をかすめる。 日本でもあちこちの村がダムに沈んだ。 まだ沈もうとしている村もある。 しかし、ここのダムの規模はまったく違うのだ。 そのでかさ。 高さ180メートル幅2・5キロメートル。 世界最大のダムとなるのだ。 今年中に完成しそうな勢いで建設が進んでいるらしい。 ここの建設のために流れ出た土砂が日本海まで達しているのではないかなどという話もあって、環境問題も昨年は話題になっている。 まあ、そこのところは抜きにして。 この映画でも、そういった矛盾があちこちに描かれている。 ダムに沈むビルの解体工事に裸の男たち。 そのあとに防護服に身を包んだ消毒液をまく人たちが登場したり。 それまで、なんとか生きてきた人たちもそこの生活を手放して。 水上の生活をしていたり。 古いだけではないつい数年前までの生活がみんなこわされてダムに沈む。 そこに金になるものを見出し、違法行為も含めて雑多な人間の欲望もあるのである。 ドラマの主軸は、この地に帰った妻と娘を探しにやってきた男とこの地に働きにきた夫をさがしにやってきた女の物語である。 実に奥深く胸を打つものがある。 男は家族の絆の再生へ向け、女は夫との決別を決め。 このダム建設中で激変している町を舞台にして、次の時代を生きてゆくための数日を過ごすのである。 人間の歴史は脈々としたものがある。 人間が作り出した町や村。 当然そこに人間がいるから成り立つものである。 このドラマの町も水に沈む。 もうそこに人は住むことはできない。 ある意味、ダム建設のドラマには、沈む町や村に対するノスタルジーが中心となっているものが多いが、この映画は視点が少し違っている。 ある意味、人間の生きることの分岐点のような時間を丹念に描いている。 すべてが雑多に存在。 取り壊されるビルの瓦礫のほこりっぽさ。 雨のシーンも多くて湿った町。 そこに浮かぶ大型客船や貨物船。 必死に生きる人々。 そこに既にやってくる観光客たち。 簡単には書き込めないけれど。 見事にひとつの叙事詩のように画面を埋め尽くす。 俳優たちのでしゃばらない静かな演技がこのドラマの余韻を深いものにしたのだ。 |
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長江哀歌
2006年 中国 2007年8月公開 評価:★★★★★ 原題:三峡好人 監督・脚 ...続きを見る |
銀の森のゴブリン 2008/05/12 22:08 |
「長江哀歌」
長江哀歌 (ちょうこうエレジー)バンダイビジュアルこのアイテムの詳細を見る 三峡ダム建設が進む街、奉節。山西省の炭鉱夫ハン・サンミン(同)は、16年前に別れた妻子を 捜してこの街にやってきた。しかし昔妻が住んでいた場所はすでに水に沈んでいた。サンミンは安宿に 寝泊まりしながら、妻子の行方を捜すことにするが・・。同じ頃、こちらも山西省からやってきた女、 シェン・ホン(チャオ・タオ)が、三峡の工場に働きに出て2年間も音信不通の夫グォ・ビン(リー・チョウビン)を 捜していた。彼女は夫の友人ワン・トンミ... ...続きを見る |
心の栄養♪映画と英語のジョーク 2008/05/14 09:55 |
mini review 08329「長江哀歌(エレジー)」★★★★★★★★☆☆
長江の三峡ダム建設のため、水没する運命の古都・奉節を舞台にした人間讃歌。『世界』などのジャ・ジャンクー監督がタバコ、草、酒、茶、飴という市民の生活に根ざした嗜好品を題材に、美しくせつない物語を紡ぎ出す。『プラットホーム』のハン・サンミンが等身大の中年男を好演し、現地で起用された素人俳優たちと素晴らしいアンサンブルをみせる。本作は力強く生きる人々の現実と景勝地の最後のきらめきをとらえ、2006年ベネチア国際映画祭でグランプリを獲得した。[もっと詳しく] ...続きを見る |
サーカスな日々 2008/10/12 05:08 |
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